更に上へ、上へ登って行く途中、

「あ痛っ」

突然里乃がしゃがみ込んだ。

「どうしたっ」

すぐに高木が里乃に駆け寄る。

「足がつったみたい。イテテテ…」

「大丈夫?」

しょうがないよね、もう、限界越えてるんだもん。私だって、いつ、そうなるか。

「歩けるか?」

高木が心配そうに里乃の顔を覗き込む。
…これが私でも、高木、こんな顔して、心配してくれるのかな…。
って、私、何考えてんのよ、こんな時に。
バカじゃない?私…。