私と里乃は、足の疲れも忘れて、お墓の間を縫ってぐんぐん山を登った。
ただ、本人たちは『ぐんぐん』のつもりでも、もしかすると、第三者からは、『のそのそ』に見えるかも…。
だって、マジで、足、限界なんだもん。
今はもう、気力だけ。
途中、

「あ、久坂玄瑞と、入江九一のお墓がある」

なんて、お墓をチェックして、気を紛らわせながら、とにかく、上へ上へ。