「無事です、ここに」

私は、お守り袋の紐をくっくっと引っ張って見せる。

「そうか、良かった」

藤堂さんは、優しい微笑みを浮かべて安堵の表情。
それはいいけど、私、もう、立てない。膝が笑っちゃってる。
また走れって言われたらどうしよ…。

「涼子ぉ」

里乃が新谷さんたちに聞こえないくらいの声で呼ぶ。

「何?」

「ここが奴らに見つかったら、どうなるわけ?」