「囮?」

「ああ。高木が反対方向に奴らを引き付けて、その間に、俺たちは、藤堂さんのいる霊山護国神社に向かう」

囮って…。
高木ぃ…。
新谷さんがいてくれたら、高木なんて囮でもなんでもいいんだけど…。
どうして、妙に心配になるのよ。
っ!まさか、ね…。
イケメンアイドル系の新谷さんを前に、あの目付きも口も超悪い男を、この超面食いの私が…、そんな、ねぇ…。
振り返っても、もう、高木の姿は見えない。

『後で会おうぜ』

…絶対、後で会おうね、高木。