「コンコン」

尾形がドアをノックして数分後

「ガチャ」

出てきたのは、吉名の妻だった。

「あの、何でしょう?」

「あなたの主人、吉名さんについてちょっと。」

尾形はそう言って、警察手帳を見せた。

「け、警察!?な、何の用ですか!?」

「12年前の事件について……」

尾形が話を聞こうとすると……

「バタンッ」

ドアを閉められた。

「か、帰ってください。」

「お願いします!!嫌な思い出があるかも知れませんが……事件を解決するには……」

尾形は叫んだが、結局この日は何も聞けなかった。