おくすりのじかん

「う・・・・う・・・・」


湯船の中で情けなくて涙が流れた。
ここだったら
どんなに泣いても 涙さえごまかすこともできる。


「ほんとに……バカみたい……
生きてたっていいことなんか 一つもない
これから先だってずっとこんな人生なんだ……」


体や顔を髪の毛を洗いながら 泣いた。
石鹸の泡を流す 温かいシャワーで 涙も洗い流した。



お風呂の中で初めて私は素直な気持ちになれた気がした。



こんな私のことなんか好きになってくれる人なんて
いるはずないよ・・・・・・


自分が自分を嫌いなんだから・・・・・・



「祥子さん 三十分過ぎたよ
あがっていいよ~」


凜太郎の声に 

あ・・・・・
長いって思った三十分って結構あっという間だった。

風呂のドアを開けたらバスタオルを広げた
凜太郎が立っていて


「キャ~~~~!!!」

胸と大事なとこを手で隠した。

「ちょっと あっち行ってよ!!!」

恥ずかしくてしゃがみこんだ私の背中から
バスタオルを優しくかけてくれた。