おくすりのじかん

「だからさ　何かよくわかんない契約したようだけど
時間の無駄だから　凜太郎もさっさと
帰った方がいいよ。」


泣きそうになってきた。


今まで　安達　祥子　って人間を一度も
好きだとか　大切にしたいとか思ったこともない。


そんな中でも
私を幼馴染だってことで
特別扱いしてくれていた　正也も
遠くへ行ってしまった・・・・・・


付き合えるとか思ったこともなかったけど
今まで浮いた話のなかった　正也に
とうとうその時が来てしまったんだって思うと
切なくて・・・・悲しくて



喪失感・・・・・・・・・・


この想いは誰にも知られていないのだけが救いだったけど



「幼馴染の彼を取り戻したいんでしょ」


「え？私そんなことまで
話したの？」


恥ずかしかった
こんな風呂にゆっくりつかることもしない
自分を磨くことすらできず
存在すら好きになれない私が

どのツラさげて　正也を取り戻す？


「もう二度とお酒は飲まない」