凜太郎とも最後に何度もキスをして
それで 終わった。


昔と違うのは 言い寄る男は星の数ほどいるけど
なかなか


あの時のような
感情と欲望が一気に押し寄せるスリルがなく



今もまだ一人であの部屋に住んでいる。


引っ越さないのは
多分 どこかで 王子様が 会いに来てくれるのでは
なんていう


夢みたいなものがあるのか


しがみついてるわけじゃない



ただ 自分が輝いているか
凜太郎に 見て欲しいかったから・・・・・・・



凜太郎に再会するまでは 
何としても意地でも 日々輝いてなくちゃって



それが活力になって


私はあれから 修行を重ねて
今は本部の バイヤーとなって 各店舗の
惣菜部のために日夜働いている。


美味しくて安全な食のために
産地に出向き レシピを考え 形にして
店に並べる
正直忙しくて 恋愛どころじゃない日々


「仕事が恋人だから」と言えば
周りの男子社員に 


「ほら安達の負け惜しみ」とか言われるけどそれも
うまくかわしていくうちに

人間付き合いさえも楽しくなってきた。