ちっぽけな奇跡のはなし



「どうしたの?

何だか、浮かない顔だけど。
もしかしたら、ヒントが分かるかもしれないんだよ?」



月明かりで照らされた、カレの横顔が
とても綺麗だった。


「うん、まあ。
それはそうなんだけどさ」

カレは自分の髪をくしゃりと、手で掴んだ。


「複雑なんだ。
自分の彼女の元カレを見るなんて」



カレは、情けないよねと笑った。