ちっぽけな奇跡のはなし


カレと目があった。
まるで、時が止まったような錯覚に陥った。



「どうしたの?」


カレにそう言われても、やっと気付いた。


「あ、ごめんなさい!」

わたしは慌てて手を引っ込めた。


カレの頬に片方の手を当てていたのだ。