ちっぽけな奇跡のはなし




ケーキを食べていると、

目の前に男の人がいた。


ふいに、視線がぶつかる。



そのとき、わたしは何かを感じた。


それはどんな感情かは分からない。



怖いでもなく、
懐かしいでもなく、

愛おしいでもない。



もしかしたら、その全てかもしれない。


ビー玉のような瞳に釘付けとなってしまった。