ちっぽけな奇跡のはなし




「望月!」


巴菜のびっくりした顔を見ると、
健太はひひっといたずらっ子のような
笑顔を見せた。



「ちょっといいか?」

「ごめん!急いでるんだ」

「少しだけだから」


健太はそう言うと、巴菜の腕を引きずって
近くの公園まで連れて行った。