「詩歌! 写し終わったー、ありがとう!」

学校に着いて一目散に課題を終えた良輔
HRの前に終わったみたいで良かった

「ねぇ? 流川さん?」

誰?
高校に入学して以来、誰からも話しかけられたことが無いわたしは
こういうとき、どうしたらいいのかわからない
目線で良輔に助けを求める


「あのさ! こいつ、えっと……、人見知りなんだよね! ちょっと緊張しちゃってる! 詩歌になんか用?」

良輔さすが! たまには使えるじゃん!
助かった……。


「あら、そうだったの? あたしは美波麗花! 流川さん放課後空いてる? よかったら遊ばない?」


なんなの、この嵐の様な人は。

「あ……、美波? だっけ? 詩歌さ、そういうの得意じゃないんだ、ごめんな。」


わたしの代わりに良輔が答える
わたしも断らなきゃ……。と思っていたら

「え? じゃあ仲良くなればいいじゃない! あたしのことは麗花でいいわよ! 詩歌って呼んでいいかしら?」

美波さんはそう言ってわたしの手を握った。

「わ、わたしで!良ければ!」


とっさに答えていた
自分でも驚いているし、なにより良輔の目が点になっている

「うん! これ、メアドと電話番号!」


美波さん……、麗花は笑顔でメアドが書かれたメモを渡してくれた

そんなやりとりをしている間にHRも始まり
ドキドキしたまんまの心臓の音が教室に響いていないか心配にだった。
それくらい緊張した。

麗花……
始めてできた女の子の友達。