「詩歌、行くぞ!」

「うん」

今日も、いつもと変わらない1日
良輔の自転車で学校に向かう
べつに変化なんて求めてない
普通でいいの。今日も、これからも。

「詩歌!見てみ!」

そう言って、ビルに貼られたポスターを指差す良輔。

「近々デビューするBADってグループなんだけどさ、俺と事務所同じなんだよ! 会ってみたいなー!」

ポスターに写っていたのは男性2人組アイドル
BADだった。

「ふーん。興味ない。」

「詩歌はいつも冷めてるなー。少しはかっこいい! とか思わないの?」

正直思う。普通に、整ってる顔だなーって
ただそれだけ

「そんなことより、学校着くよ? 昨日は仕事の合間に課題やったの?」

「え? 課題? ……忘れてた!」

こいつは……
ムカつくけど良輔は今、本当に忙しいと思う

街でスカウトされて以来、読者モデルとしてすごく活躍している
今日も、たまたま仕事が無かっただけで毎日仕事に追われている

「写させてください……。」

「いつもの事でしょ? ったくもう、写すなら早く行かなきゃ!」

「さんきゅ!」

今日もまた、いつも通りの生活が始まるんだ
そう思っていた