「誰…?」



沖田が小さくそう呟いたその時。


少女の目が、ゆっくりと開いていった。









「…人?や、やだっ!こないで…!」



少女の目には、恐れ、怖れ、畏れ……負の感情がぐるぐると渦巻いていた。





すると、沖田の前に一人の隊士が立ちはだかった。


「怪しいやつ!組長は下がっていてください!」


そう言って、少女に刀を向ける。

その途端











「やだ…やめて……いやああああっ!!!」


一番隊もろとも、つむじ風に包まれた。

砂埃と桜吹雪が混じり合い、目を開くことができない。