教室に、つくと教室がザワザワしていた
「俊だーやっぱかっこいー!」
そっか。私は推薦でこの学校にきたけど、他の人は顔見知りの人が多いんだ。
席に着くなり前の席の子が声をかけてきた。
「はじめまして!あたし、前田祭!ヨロシクね!」
「神崎ユナです!」
この学校、可愛い子多いなぁ。
祭ちゃんも可愛い…
「ここら辺じゃ見かけない顔だけど…」
「バレーボールの推薦できたんだ!」
「へぇー。てっきり狼伝説目当てできたのかと思ったー」
「狼伝説?」
「そ、狼伝説。この学校には狼伝説って言うのがあるの。男子の中で5人、狼に任命されるんだけど…一年生から2人、二年生から1人、三年生から2人選ばれて…それが毎年ちょーイケメンでさ。」
「へぇー。おもしろいね」
「でも、これからが本題。実は狼5人の任命式が今日あるんだけど、その5人が任命されたあと、狼5人が赤ずきんを決めるの。」
「赤ずきん?」
「赤ずきんっていうのは、女子の中から選ばれるんだけど、2人指名されるんだ!赤ずきんの決め方は3年生の狼が、くじを引くの。赤ずきんは、誰がなるか分からないってこと。」
「狼や赤ずきんになるとどうなるの?」
「それは…わかんない。でも、赤ずきんになった子は、下駄箱とか、どこかに手紙が来るらしいよ。だから赤ずきんは誰か分からないの。赤ずきんも自分で他人に自分が赤ずきんと言ってはダメ。噂で聞いた話だと、狼は絶対的で、赤ずきんになったら狼のために尽くさないといけない。言わば奴隷…かな?」
「奴隷…?」
「噂だよ?噂。」
