「にっ、にゃうんっ!?」
(俺の言葉、わかるのか!?)
そう訪ねると、萌花はふわりと笑って
「うん。なんか、『動物さん、何考えてるの?』って思ってて、すごく聴きたいって思ったら、聴こえるようになったの!」
は!?
ありえねぇ。
動物と話せる人間なんて、魔法族くらいしか・・・・・・。
・・・萌花が魔法族な訳ねーし。
いや、もういい。
それより、聞きたいことがあったんだ。
「にゃにゃ、にゃうにゃにゃー?」
(竜のどこを好きになったんだ?)
そう俺がいった瞬間、萌花の顔がぱあっと真っ赤になった。
「あっ、えっ!?そっそんっ・・・そんなこと言ったかなぁ!?」
明らかに慌てている。よく漫画とかで見る、口笛や、両手の人指し指をツンツンさせて誤魔化そうとしている。
「にゃお。」
(言った。)
そんな萌花の努力も虚しく、俺は正直に言う。
「あ~、そうだね。やっぱり誤魔化すのムリかあ!わかった、わかった!話す
よ!」
「・・・あのね、実は最初はあんまり良く思ってなかったんだ。いつも睨んでて怖いなあって。」
・・・そんなこと思ってたのか。
「でもね、ある日・・・・・・」
ーーーーーーーーーー『にゃあ・・・』
『あっ、猫ちゃん!助けな・・・』
『・・・』
『(あれ・・・竜君!?猫拾ってる・・・。普段はちょっと怖いけど、優しいなあ。)』ーーーーーーーーーー
「その時から好きになったんだよ。」
・・・そうか。
見られていたのは少し気恥ずかしいが、誉められて悪い気はしない。
萌花が俺を好きになった理由が、他の奴等みたいに『顔』だの『頭いいから』だのじゃなくて、少し安心した。
・・・・・・・・・萌花が、俺を好きになってくれて、良かった。