『人が育みし世界。

 優しいだけでは、
 決して思わらぬ
 闇の焔(ほむら)に操られし世界。 

 人は己が闇に迷い込み
 出口を見つける為に
 自らを追い込んでいく。

 それ故に放たれる、
 命の炎は輝きとなって
 汝に関わるものを包み込む』





次に姿を見せたのは、
褐色の肌に白髪に混じる紅いメッシュ。
甲冑姿を身に纏った青年。



『水の流れは絶えなるもの。
 慈雨に育まれし人の子よ。

 人に優しい水も、
 時に人に禍をなすように
 この地に住まう人もまた
 過ちを繰り返しながら
 時を刻む。

 それ故、放たれる
 水の調べは
 人の心を揺さぶり
 輝きを放ち、慈愛に満つる』




その声と共に姿を見せたのは、
透き通るような水色の髪を
たゆとわせた女性?男性?






その三人が目の前に降り立ったと同時に、
一層、眩しくなる私の周囲。





「汝が宿命(さだめ)。
 鬼の姫の御霊を抱きし少女よ」



心に流れ込んでくるように
直接語りかけられる言葉。



「鬼神をいかに思う?」



鬼神?

鬼神って多分、
和鬼の事でいいのよね。




「心から守りたい。
 だけど今の私は和鬼を傷つける」




今も私は貴方に『私をコロシテ……』っと
願い続けてる私の心。




貴方が悲しむのを知りながら、
私の想いを押し付けていく。