停車した大きな車たち。



そのドアが開いて中から出る人物。



小学生くらいにも思える
小さな子供が三人。




三人?
こんな時間?





あまりにも怪しすぎて、
私たちは息を潜めて、境内に隠れた。





チラリと一瞬、
少年の眼光が向けられた気がして
慌てて視線を逸らした。





『徳力殿、
 お久しゅう存じます。
 
 当主に成り代わり、
 今宵も柊が参じました』



少年にお辞儀をするのは、
年上の女性。


『華月さま、
 夕妃は息災ですか?』


その女性は続いて、
少年の後ろに控える女性へと話を向ける。


『神威vv』


最後の車から飛び出した着物姿の少女は
少年の名前らしいその名を呼んで抱きついた。



何?
この集団?



「咲、知り合い?」



同じように声を潜めて
私に問いかけるのは司。




少年たちは真っ先に神木の木に
その手を触れる。




何してるの?




怪しい光景を見つめていると、
坂を駆けあがってくる足音が響く。




神社の庭に敷かれるのは
邪を祓う音を響かせる玉砂利。



玉砂利を踏みしめる音が聞こえると、
夜なのに、神社で神事を行う時と同じ姿で
駆けつけてゆっくりと膝を折った。