「ほらっ。

 和鬼……やっぱり……。

 私、傍に居るよ。
 ほらっ、触れるでしょ」



咲の手がボクの手首を掴んで
頬に触れさせる。





頬から流れる温もりは
少しずつ凍りかけた心をとかしていく。






こんなにもボクの中で
存在が大きくなりすぎてる。










……咲……。











優しい時間は
孤独との隣り合わせ。













ボクは何処までこの時間に
溺れ続けていいんだろう。














咲が微笑む
優しい時間の中で……。