……愛しき人……


君、在りし……
日を胸に秘め


現世を……
  刻む……。


……君、想ふ……


 現世の
 仮初の世


夢、儚きて……
  永久の契り……


古より
想い焦がれし


愛しさよ
かの君の元
届きけり


君……
想ふことなかれ……

愛しきものよ

我……心……
全て……
桜に……
託しけり……








真実の恋歌【れんか】。






鬼の世界で人生に
一度だけ歌うことが
許される調べ。






布団の中で横たわっていた咲を
抱きかかえて、ボクは壁に持たれながら
恋歌を紡いでいく。




蚕から糸を紡いでいくように、
出逢いから……今日までの全てを
その歌で紡ぎあげていく真実の恋歌。






……揺るがない想い……。





嘘……偽りのない清らかなる思い。