そして……再会。
今思えば全て必然だったのかもしれない。
まだ小さな彼女は母親に手を引かれ、
この地へと連れられてきた。
この地の神社に氏子として
……挨拶に訪れる。
それがボクたちの最初の出会い。
ボクは鬼の力で彼女を追い求める。
切ないほどに。
幼い彼女はすぐにボクの姿に気が付いて
ボクは幾度となく彼女とともに遊んだ。
そして……その夕闇が光を指す頃
ボクは彼女の記憶を捜査して
その時間の記憶を消す。
それの繰り返しをしていた時間。
田舎に帰ってきた時だけ、
ボクは咲と交わることが出来た。
そんな逢瀬の時間が終わりを告げたのは、
咲が小学生の時。
彼女は母親に捨てられて、
この地に正式に移り住んだ。
神木を母のように慕う
彼女の視線がボクを捕える。
ボクは逃げ切る出来ず、
彼女の紡ぐ糸に絡めとられて今に至る。
どんな形になっても、
彼女のいない世界はボクには
耐えられなかった。
ボクのエゴに
振り回された彼女は、
ボクを探してこの世界まで
辿り着いてしまった。
今、ボクが出来ること。
それは……ボク自身が
……裁かれること……。
ボク自身の罪を
洗い清めること。
そして全ての想いを素直に伝えること。
この息吹にのせて。
だから咲、目を覚まして。
咲のいない、この世界なんて
ボクにはもう……耐えられないんだ……。



