……愛しき人……

君、在りし……
日を胸に秘め
現世を刻む。



……君、想ふ……


現世の
 仮初の世


夢、儚きて……
  永久の契り……


古より
想い焦がれし
愛しさよ

かの君の元
届きけり


君……
想ふことなかれ……


愛しきものよ


我……心……
全て……
桜に……
託しけり……









その歌声に誘われるように
少年和鬼に体を委ねる。





『迷い子よ。
 貴女の今にお帰り。
 
 ボクは貴方に辿り着くから』




まだ幼い少年の声が柔らかに降り注ぐなか、
私の意識はゆっくりと遠ざかって行った。







……和鬼……。


私の愛しい人……。