「あわわー!どうしようっ!」








私は今、猛ダッシュで学校へ向かっている。








「遅れちゃう!」




どうしよう。あと10分





そう。今日は桜丘高校の入学式。



そんな日に遅れるなんてもってのほかだ。




私は走ってるんだけど、このままではつきそうにもない。






「もう・・・・ダメだよぉ」




もう諦めよう。




変に遅れていくのも・・・ね?







キーーーーーーッ!





「ひゃぁっ!」




私のすぐ隣で自転車が急ブレーキをかけて、止まる。


「お前・・・桜丘だよな。」



「そ・・・そうですけど・・・」




そういって声をかけてくる男の人。





自転車のかごには私と同じ通学バック。




「あの・・・どうしたんですか・・・?」







「乗れよ。」




「えっ!!!?」









「どうして・・・?」






「遅れんだろ・・・乗れよ・・・」





びっくりして声が出ない




でも、・・・




せっかく言ってくれてるもん・・・




「ありがとうございますっ!」