鼻から深く息を吸い込んで、らしくない自分への狼狽に耐える。




俺以上に衝撃だったらしい彼女は目を見張り、暫しあってどうにか動揺をやり過ごすと、一瞬苦しそうに眉を寄せ、しかし無理にも微笑んで、じゃあ、と教室に戻っていった。





それを見送り、匡も教室に入ろうとしたが、気が変わった。



今はまだ、早い。





外の空気を吸いに行こうと、匡は渡り廊下のほうへと足を向けた。