打ちのめされた心地がする。




確かに、俺の言葉には実がない。




勢いですべてを飲み込んで拙速に事を収めようとしている。




俺はたぶん、そう、いつも言葉が足りないんだ。真摯とか、誠実とか、そういう思いやりの詰まった言葉が。




でもその欠点を補うための学習はしない。だからあんなふうに簡単に見破られてしまうのだろう。



それで落ち込んでいるのではなんとも世話のない話だとは自分でも思う。





しかし、そうとはいえ、今の匡に自分を矯めそうという確固たる意思はなかった。


気概で壁を乗り越えてみようとか、処世うんぬんとか、そういうまっとうで前向きな心根があれば俺だってとっくにそうしてる。







好きな人ができた。







そう言われても、別段未練は、なかった。