「わたしはもうあなたに誓いを立てたのよ。窪川とは、もう会わないわ」
すると有正がどこか悲しげに菜々子のことを見上げてきたものだから、あわてた。
(有正、ほんとに大丈夫なのかしら)
昨日の夜、窪川との間に何があったのだろう。
問い詰めてやりたいが、誓った以上は会うことはできない。
微妙なところだが、そこは後者の意思を強く持つことに決めた。
だからわたしが、と菜々子は願う。
もっと有正に尽くそう。
元の元気な有正に戻るまで。
菜々子はベッドに上体を預け、有正の寝顔を見つめながら自らも眠りへと落ちていった。

