「周りと同じ目線で物を言われるのは自分と同格だと思われてるからだぞ。それでいいのか」



白井は押し黙った。


匡の例を身を以って知っているからだろう。



「仲間すら踏み台だと思え。それで、俺を追いかけて来い。――できるもんならな」



挑発すると、白井はわかりやすく双眸を見開いた。



「ばっ、ばかにすんなよ。おまえごとき俺がすぐにぶっ潰してやる」



白井にはめずらしく、熱い気持ちを滾らせて息巻いたとき、あー! という大声が夜陰に響いた。


ふたりは思わず顔を見合わせ、弾かれたように振り返る。



「そこにいたのか! てっきりもう帰ったのかと思ったぞ!」

「夏原…おまえ時間帯考えろよ。夜の7時だぞ。ただの7時じゃないぞ。大晦日の夜7時ってことを忘れるな」

「それよりさ、ふたりとも年越しそばはもう食べた?」



それよりってなんだ。反省してないな。