カランコロン 今日のお客さんは、始めて見る男性の方だ。30代から40代だろう。なんだか、瞳が悲しそうだ。 「いらっしゃいませ」 「いらっしゃい」 「ご注文は?」 注文を聞いたり、食べ物や飲み物を運ぶのが仕事の私は、いつものように聞いた。ちなみにマスターは、作る係りだ。 「あっ…えっと…カプチーノで」 「はい、かしこまりました」