カランコロン

扉を開けて中に入った。毎度のことだが、お客さんはいない。このお店はかなりマイナーなのだ。しかし、一度来てくださったお客さんは、私みたいにこのカフェの雰囲気に惹かれて、常連さんになってくれる。

「おはよう、マスター」
「おはよう、りん」
「相変わらずすいてるね」
「まぁな」

エプロンをつけて、部屋を見渡していると、ドアが開いた。