緑の萌える匂い、鼻を通りぬける
頭上から聴こえる、声なのか、音なのか、
見せられる自分には無関係な映写、
考えても無いのに、語句が次々と私を通して漏れる

ふぃに、そこまでと言われるように頭の声も無関係な映写も、むやみやたらな言葉もつぐまれる。

「ーーっ!私の事どこまで調べたのですか?」

相談者の女は、不審そうに頭をもたげて聞いた。

「私はただ、見せられてるだけで、どう解釈するのもあなた次第なんです」
ツルはこの現象のあるがままに逆らわず見せるものには話、見せぬものは分からないと話した

「私が、ずっと隠してきたこと、誰も知らない話を、本当にユタはいるんですね」
相談者の背後の女は乱れた髪を整える様な仕草をして、かんざしを指す真似をした。