教室に入ると、いつもとは違い、ざわつきが止まらなかった。

 クラスメイトのアキが大人気の先輩、シュウと付き合い始めたそうなのだ。

 正直、クラスの人の話にはついていけない。

 恋バナとか噂とか陰口(悪口)とか。

 恋なんて、したことないし。

 興味すらない。

 高校生というものはきっとそういうのが大好きなはずなのに。

 私は高校生というものから除外されている気分でもあった。

 人に恋なんてしない。

 絵に恋をしたい。

 そんな気持ちがどこかで芽生えていた。

 私は得意げに髪を耳にかけた。

 今、すこしだけ「乙女な高校生」に興味があったのかもしれない。

 「アキったら、シュウ先輩とっちゃうなんてぇ!すごいなぁー!」

 アキは赤面しながら言った。

 「ぅ、ぅん。。すごくなんてないよっ!!ただ、勇気を出しただけだよ・・・。」

 やっぱり、よくわかんない世界だと、改めて実感した。

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