…私の、…
名?
名って何…?
「あ、の…名ってなんですか??」
「そっか…
自分の名も忘れてしまったのか…。」
忘れた…?
何を?
「…名っていうのは、…
個々の人間それぞれに
付けられた
言葉、だよ。
名を付けられた人間は
一生
その名で生きて行く。
…だから、…」
男の言葉を遮り、
私は言う。
「…じゃぁ、…ティァって…
私の名???…」
コクン、と頷く男。
「私は、これから、
ティァという名で生きていくのか…。
………なるほど。」
「そうだよ。
お前は俺の大切な妹。
ティァ。」
そう言う俺に
私は聞いた。

