廊下を歩いていると、携帯が鳴った。
桃佳からだ。
さっきアドレスを交換したばかりだ。
もう新しい友達からメールがくるなんて
すごく胸が弾んだ。
私は携帯をいじりながら、廊下を歩いていた。
「ドンッ」
「うわぁっ」
まぬけな声が私の口からでた。
誰かにぶつかって、転ぶとまではいかなかったけど、
かけていたかばんが肩からズレ落ちてバランスを
崩した。
「すみません!前見てなくて、、、」
とっさに謝った私は相手の顔なんて見てなくて、、
「大丈夫だから、顔上げて。」
「ありがとうございます。」
そう言いながら私は、顔を上げた。
スラッとした長身、たぶん先輩、、?
いかにもモテるだろうって感じで、、
無造作にセットされた髪型。
くっきりした顔のパーツ。
女の子に苦労してないんだろうな、ちょっとむかつく、、
なんて、ぼーっと考えていたら
「お〜い。大丈夫??」
なんて、優しく言ってくれるから、
「大丈夫ですっ」
私は熱くなった顔を隠しながら返事をした。
「今度からは気をつけろな。」
そう言うと先輩は私の横を通り過ぎていった。
全部が完璧過ぎて、、
「やっぱむかつく、、」
私はそう呟いて職員室へ急いだ。
