「あ。涼介だ……。」
廊下を歩いていく彼を見つけた。
あたしとキミのクラスは端と端。
あたしのクラスなんて当たり前に素通りしていく。
「告白すればいいのに……。」
きっと、本心は見透かされてる。
応援してくれる友達に、あたしは苦笑いしか出来ない。
キミ……いや、涼介と出会ったのは、入学式の日。
知らない人ばかりで不安だったあたしに、隣の席だったキミは微笑んで、話しかけてくれた。
キミはいつもあたしを笑わせてくれて。
気さくでとっても話しやすかった。
音楽の趣味も同じだったことから、話もよく弾んだ。

