横を向いてしまったけど、きっと照れているんだろう。
「待ってるだけじゃ、変わらないって気づいたから。」
いつだって、人と関わることに受け身だった。
傷つくのを怖がって、困る顔が見たくないからってずっと逃げて。
だけど、
自分から歩み寄らなきゃ。
そうしなければ何も変わらないままだから。
これからは、後悔しないようにしたい。
「涼介ー好きだよ。」
「俺も。」
あたしの手をギュッと包み込んでくれる大きな手。
目を細めて、あたしだけにくれる笑顔。
まだ中学生の戯言だけど。
ずっと、この先もこうして歩んでいければいいなあと思った。
fin.

