いつもより30分も早く来た教室。 まだ人はまばらで。 窓の外をみると、ぞろぞろと正門からたくさんの人が入ってくるのが見えた。 まだあたしは実感がない。 もうこの学校に通うことはないって。 今日が、卒業だなんて。 「なつ、おはよー。今日は早いね!」 「おはよ、歩未。最後くらいねー早くきた笑」 毎日毎日、もう見飽きてしまった景色でさえも、あたしを切ない気持ちにさせる。 まだまだ卒業なんてしたくない。