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新撰組……ではなく甲陽鎮撫隊が慌ただしく動いているなか、琴音と沖田は松本医師の紹介で千駄ヶ谷の植木屋平五郎宅の離れで療養していた。





「こんなに穏やかに2人で過ごすなんて初めてだね」




「そうですね……ケホッケホッ…」





「総司、お水飲む?」




「今は大丈夫です」






2人の病状は悪くなる一方で沖田は起きている時間よりも布団に横になる時間の方が長くなっていた。



「あ、そう言えば近藤さんから文は来ましたか?」




「来てないよ。でも噂だと今は新撰組じゃなくて甲陽鎮撫隊として動いてるみたいだよ」




「甲陽…鎮撫隊……かぁ……」




「………今…、どんどん隊士が逃げ出しているみたい…。1番組の連中は大丈夫かしらね?」




「僕と琴音に鍛えられていたんだから…そう簡単には逃げ出さないと思います…」




「そうだといいね…」