「実はな、斎藤には既に話してあるんだが伊藤一派が近々離隊を試みようとしてるらしい」 「うん……」 「お前には間者として着いて行ってもらいたい」 「!?む、無理!私には出来ない!」 「何故だ?平助が着いていくからか?」 「何でそれを!?」 「山崎からの報告だ」 「(んの、デブ忍者…)」 「お前、着いて行くの迷ってんじゃねえのか?」 「え……」 「ここに絶対に残る琴音といるか伊藤に着いて行く平助といるか」 「……っ…」 キュッと唇を強く噛むと鉄の味が口の中に広がった。