それから数日後。



琴音は蔵から出て総司の看病に戻っていた。



今は井戸に水を汲みに来ている。



「ケホッケホッケホッケホッ……ケホッケホッケホッ…カハッ」



地面に血が飛び散った。




「…あーあ。やっぱりそうだったんだ……。薄々感じてはいたけど…まさか本当に労咳なんてね…。ねぇ、一?」





「気づいていたのか?」




「だって気配消してなかったじゃない」




「流石だな」




「………誰かに言ったりする?」




「…………いや」




「本当?」




「俺は他人の事に口出しをするつもりはない」




「ありがとう」




「例を言われるような事はしていない」




「うん……。じゃあ私総司のところに戻るね」




「あぁ」