「そこ、まだ埃が落ちていますわよ。全く…ここの女中は使えないわね!」




んの野郎。



「伊東さん、掃除の邪魔なんでどっか消えてもらえますか?」



「まぁ!参謀に女中の貴方がそんな口を聞いて良いと思っていらっしゃるの!?」


「……よく聞け、この薄汚いオカマ野郎。私は女中堅隊士なんだわ。お前なんかよりもずっと仕事してんだ。分かったらさっさとどっか行きやがれ」



「はぁーん!全く信じられないわ!この伊藤に向かってそんな口の聞き方をする女子は初めてよ!」



「えぇ、そうでしょうね。普通の女子ならまず汚い貴方には近づかないもの」



「っ!キーーーーーー!こ生意気な小娘が!近藤さんに言いつけてやるわ!」




ん?それはまずい。



「ふ、ふーん?参謀の癖に局長に何でも言いつけるんだ?自分の事も1人じゃなんも出来ない奴がよく参謀になれたわね」



「(ピクッ)」




伊藤の眉が一瞬動いたのがわかった。




「ま、まぁ今回は許してあげるわ!次回はないと思いなさい!屯所から追い出してやるわ!」



「ふんっ!やれるもんならやってみなさいよ!ま、どーせ出来ないでしょうけど?」




「まぁ良いわ!言ってなさい!」




そう言うと伊東はスキップして廊下の向こうに消えて行った。




「どこまでも気色悪い奴だな」