池田屋事件から二週間。



琴音は夕餉の買い出しに出掛けていた。



「あ、今日はこのお魚が安い!おじさーん!このお魚くださーい!」




魚屋「はいよー!お嬢ちゃん元気だな!」




「それだけが取り柄ですから!」



「ハッハッハ!じゃあ嬢ちゃん可愛いから少しまけてやる!」



「本当!?ありがとー!!」



「琴音ぇーー!」



ん?この馬鹿でかい声は……





「佐之ぉー!一も!」




「買い出しか?」



「そうだよー!今日はね、お魚だよー!」




「魚は好物だ。」



「お魚美味しいもんね!」




「じゃ、俺等は巡察行くな!」




「頑張ってねーー!」



そう言ってお互い反対方向に歩き出した瞬間、琴音の姿が消えた。





「あ、そうだ琴……いない?」




「あ?どうした?」





「琴音が…消えた。」





「はぁ!?琴音っ!どこいったぁ!」





「左之、副長に報告しよう。」




「おう!早く見つけ出さねえと総司の奴狂っちまうぞ!」




「それを回避するためにも早く見つけよう!」



「おう!」