「______それでは、今日はここまで。
全生徒の皆さんは、先生の指示に従って解散してください。」
『あー、終わったー!』
『会長挨拶長いよぉー』
『もー。退屈ー』
……………。
全部、聞こえてますけど?
私がステージの上に立っているから、聞こえないとでも思ってるんでしょ。
・・・・
耳だけはいいのよ。耳だけは。
ったく、私だって話したくて話してる訳じゃないんだからね。
大体、会長じゃなくて普通は理事長でしょ。理事長。
もう、なんなの。
私は立花美姫。
桜花学園(おうかがくえん)高等部
の、
生徒会長
を務めている、普通の2年生だ。
へ?なんで2年生かって?
それはね、
私の親が理事長だから。
う〜ん。
まあ、強制的ってかんじ?
元から頭は悪くなかったし、先生からもそれなりに信頼されている。
ただし、内面ね。内面。
外見は、ちょーと言っていいほど不細工。
自分でいうと、虚しくなるけど。
多分この不細工のおおらかな原因は、
メガネだ。
だって、私から見てもダサいと思う。このメガネ。
替えたいけど、メガネなんてそんな簡単に替えたらきっとお母さんが怒ると思うし。
______綺麗に飾られた生け花が私をじっと睨んでいる。
【早く降りろや】
そういわんばかりに。
しょうがなく、私は少し浅めの階段を降りて行った。
どうよ、生け花。
降りてやったぞ。
「………………」
うん。やっぱり虚しくなるだけだ。

