「トーンって言うの?」

「うん。意外だな、見えるのに名前知らなかったんだ」

そうだ、この人はそのトーンとやらが見えるのだろうか。

「鈴原君にも見えるの?」

鈴原水樹はゆっくり頷いた。そして、グラウンドを見つめた。様々な部活動が部活をしている。

「...来るぞ」

「え?」

その時、地面が大きく揺れた。私はよろけ、床に膝をついた。鈴原水樹は外に飛び出していた。