「で、でも、あの人すっごい性格悪かったよ?」
「んー、それはあれじゃない?ツ・ン・デ・レ♡」
なにがツ・ン・デ・レ♡だよ!
あれはツンツンだろ!?
デレの欠片もありゃーしませんよ!!!
何度も反論してみたけれど、絵理は自分の妄想の世界に入ってしまい、もう手遅れだった。
「あ、じゃあわたしもう帰るね!
慶人様のこと、帰りにまた聞かせて!!」
慶人様ってなんだよ、慶人様って...
絵理は颯爽と自分のクラスに帰ってしまった。
「あーもー...あんな奴のどこが...」
「あ゛?なんか言ったか?」
「....ひえぇぇぇ!!!!」
驚いて隣の方を見ると、いつの間にか都田くんが座っていた。
