好きになったのがたまたま幼なじみだっただけ



翌日から、私は無意識にコウちゃんのことを避けていた。




いや、もしかしたら意識していたのかも。


コウちゃんが年上の人が好きなのは元から知っていた訳で。


悲しい現実から逃げたくてコウちゃんを避けたんだ。




元々コウちゃんとの接触は少ない。

だからコウちゃんにはこのことには気づいていないはずだ。




そうして、コウちゃんを避け始めてからしばらく経ったある日の放課後。


日直の仕事を終えると、外はすっかり暗くなってしまっていた。


早足で校門に向かうと、そこには大好きな人の影が落ちていた。


しかし私はそれ見なかったふりをして歩くスピードを上げて影の隣を横切った。




「おい、待てよ」


そんな声と同時に私の腕は引っ張られた。


そっと振り返るとやっぱりコウちゃんがいた。




「な、なにかな」




「お前…最近俺のこと避けてね?」




「気のせいだよっ。私だって忙しいんだよ?」




「…!ちょっと乗れ」




校門のそばにつけてあったらしい、コウちゃんの愛車に乗せられてしまった。




こういうところからも、年の差を感じてしまう。