君の隣。






『メイド喫茶いかがですかぁ〜?』

教室の外から聞こえてくる声。

教室の中で慌ただしく動いてるあたしたち。

あたしはジュースを運んでばっかで

すごく大変だった。

あたしたちのメイド喫茶は意外に人気で、

たくさんの人がきてくれた。

その中で、西村くん目当てでくる人もいる。
西村くんってモテるんだなぁーと改めて実感。笑

メイド服を着てる西村くんはすごく可愛らしい。笑

西村くんはすごーーーく嫌そうな顔をしてるけどw


そして休憩時間になってメイド服から制服に着替え、

教室の前に立っていると、

『悪りぃ!遅れた!』
と、急いで走ってきた西村くんがいた。

『ううん!そんな待ってないし大丈夫(^^)』
そう答えるあたし。

『ならよかった!とにかくどっかいくぞー』

『うん(^^) あ!あたしゆいのクラス行きたいの!』

『あーゆいって、お前の親友のw』

『そーだよ(^^) 行ってもい?』

『おう!行くぞ!』

でも西村くんはゆいのクラスを知らないから、

あたしが連れて行く。笑

ゆいのクラスはお化け屋敷。

看板からして怖そう。

でも来たからには入るしかないよね…

『あのー西村くん?あたしね、怖がりなんです…泣
ごめんなさい泣』

『何で謝んだよ笑 ほら、いくぞ!』
そう言って、何の怖がりもなしに入って行く西村くん。

うー…あたし本当に無理なのにぃ…泣

それでも西村くんの後ろに必死についていった。

でも、本当に怖くて手も足も震えてた。

それに気づいたのか、西村くんが

『ん』
そう言って右手を差し出してくれる。

『え…でも…//』
繋ぎたいけど、恥ずかしくて繋げないあたし。

すると、強引に手を繋いでひっぱられた。

西村くんに引っ張られるがままにあたしは歩く。

今絶対顔真っ赤だ…//

お化け屋敷の中は暗いから分からないしよかった…

そんなこと思っているうちに、

もう出口。
何か手を繋いでから早く感じたなぁ。
そんなこと思っていた。

『お前怖がりすぎ。笑』

『だ、だって…泣』

『ま、よく頑張ったな(^^)』
そう言って頭をポンポンとしてくれた。

顔がどんどん熱くなる。
怖さも全部吹き飛んだ。

あたしが照れて下を向いていると、

西村くんはフッと笑って歩きだした。

あたしはそれについていく。