「あ,あのシルバーの奴?」 目の前の駐車場にはシルバーの車やブラックの車などがたくさん並んでいた。 「や,アレ」 「え?」 零夜が指差したのは,一際目立つ真っ白の車。 「何か零夜の趣味じゃないみたい」 「ははっ,よく言うだろ?王子様は白馬に乗ってるって」 零夜は私の頭をくしゃっと撫でながら。 「俺は救いの王子様だからな」 「…馬鹿」 「馬鹿とはなんだ!」 ありがとう,零夜。 まあ,確かに今の私にとっては『救いの王子様』だったよ。