「うるさいわねっ」 奈々穂は意外と感情性豊かで,見てて飽きない。 「修大ー!!早くー」 階段の上から双葉が叫ぶ。 「チビが呼んでるから,先行ってるな」 「うん」 「修大今俺のことチビって言ったでしょー!!」 「空耳だ,空耳」 ギャハハと大きな笑い声が響く。 「ガチャッ」 「気持ちいいー!」 「意外と涼しいなー!」 「ほんとだ」 夏なのに,今日は少し冷たい風が吹いていて気持ちよかった。 「今の勝負は俺のほうが早かったよねー!」