「知らん。俺は言われたことを調べただけだ」 「まあ,本当だったら」 クスリ,静かな部屋に響く。 「これはダメだ」 グシャリと紙を握りつぶす遊馬の目には,また何か考えてる光があった。 「一体,何を隠しているんだろうね,奈々穂は」 「どうせろくなもんじゃない」 「そのろくなもんじゃないものを調べられるのが,達矢だろ?」 「…馬鹿め」 「どうとでもいいなさいな」 やっぱりコイツは何もかも知っている。 全て調べられる。 さすが。